インビザラインは透明なマウスピースを使用し、歯の矯正を行う方法です。この記事では、インビザラインの一般的な治療期間や治療が延びてしまう原因、治療期間を短縮するために注意すべきポイントなどを掘り下げます。
目次
インビザラインの治療期間の目安は?
インビザライン矯正にかかる期間は、全体矯正と部分矯正とで大きく異なります。以下ではそれぞれのインビザライン治療の期間や、治療が長引く場合の例について紹介します。
全体矯正の場合
インビザラインで全体矯正をする場合、治療期間には2年から3年ほどかかります。全体矯正では前歯と奥歯、また上顎と下顎すべての歯の矯正をします。合計約28本の歯を痛みがないように少しずつ動かすため、治療には時間がかかります。
またいくつかのケースにおいては、さらに治療が長引く場合もあります。抜歯をする場合や
重度の叢生(そうせい)である場合、歯槽骨(しそうこつ)が硬い場合、ほかの矯正方法を併用する場合などは、矯正治療に3年以上かかることもあります。
部分矯正の場合
インビザラインで部分矯正をする場合、治療には半年から1年程度かかります。部分矯正では基本的に、上下左右の前歯3本ずつの合計12本を対象に治療をします。治療対象が全体矯正の半分以下の本数であるため、短い期間で治療が完了します。
またインビザラインの治療には、矯正期間と保定期間の2つの段階があります。全体矯正の矯正期間は1年から2年、保定期間は1年程度です。一方で部分矯正の矯正期間と保定期間はどちらも、短くて3か月程度で完了します。
インビザラインの治療期間が長い理由
インビザラインの治療期間が一般的な治療より長くなる理由には、症状の重度さが挙げられます。インビザライン治療は、1つのマウスピースで最大0.25mmの距離だけ歯を移動できます。またマウスピースの調整は1週間から2週間に1回行うため、1か月に動かせる歯は最大で0.5mmから1mmです。歯並びの歪みが重度である場合は5mm以上歯を動かす必要があるため、治療には最低でも5か月から10か月はかかる計算です。
またインビザラインの治療期間が長いのは、保定期間が必要であることも理由の1つです。保定期間とは、矯正して動かした歯を固定するための期間です。保定期間中は、マウスピースの代わりに保定装置(リテーナー)を装着します。矯正が終わったあとも継続して装着するものなので、治療期間が長くなります。
インビザラインの治療期間が伸びる原因
インビザラインの治療期間は、一般的に長くても3年程度です。しかし場合によっては、さらに治療期間が延びることもあります。以下では、インビザラインの治療期間が延びる5つの原因について解説します。
【原因1】装着時間を守っていない
インビザラインの治療期間が延びる原因のひとつは、マウスピースの装着時間が短いことが挙げられます。インビザラインで使うマウスピースは、1日20時間から22時間はつけておくことが推奨されています。
マウスピースの取り外しができるのは、食事や歯磨きのときだけです。自分で自由に取り外しできる反面、窮屈だからと装着していない時間が長くなると、矯正の効果が薄まってしまいます。マウスピースはなるべく取り外さないように注意しましょう。
【原因2】定期的に通院していない
インビザラインの治療期間が延びる2つめの原因には、定期的な通院をしていないことが挙げられます。インビザライン矯正では、大体1か月から2か月に1回の頻度で通院が必要です。診察では歯の状態の確認や、治療計画のチェックなどを行います。
マウスピースをつけていれば矯正できるからといって通院を怠ると、治療が計画通りに進まなくなる可能性があります。加えて歯の動きがズレていた場合などは、元に戻すためにさらに時間が必要です。
【原因3】治療途中にリファインメントが入った
治療途中にリファインメントが入ってしまった場合も、インビザラインの治療期間が延びる原因になります。リファインメントとは、インビザライン矯正の計画を変更することを指します。
インビザライン治療では最初に歯並びをスキャンして、3DCG上で歯を動かして矯正のシミュレーションをします。
矯正のシミュレーションをしたときに予定していた歯の動き通りに矯正できていない場合や、治療計画に遅れが出た場合は、当初の治療計画を変更する必要があります。新しくマウスピースを作成したり、ズレた歯の位置を治したりするため治療が長引くことがあります。
【原因4】マウスピースの交換時期を間違えた
インビザラインの治療期間が延びる原因は、マウスピースの交換時期を間違えた場合も挙げられます。インビザラインで使用するマウスピースは、1週間から2週間おきに新しいものに交換します。段階的に形の異なるマウスピースをつけて、矯正を完了させます。
しかしマウスピースをあまりつけていなかったり、治療を早く完了させたかったりといった状態でマウスピースを交換すると、かえって治療期間が長くなることがあります。治療中はマウスピースをしっかりと装着し、何らかの変化があった場合はすぐに医者に相談しましょう。
【原因5】虫歯や歯周病になってしまった
治療中に虫歯や歯周病になってしまった場合も、インビザラインの治療期間が延びてしまいます。インビザライン矯正では、1日中大半の時間はマウスピースを装着する必要があります。そのためマウスピースが清潔でない場合は、虫歯や歯周病になることがあります。虫歯や歯周病になると別の治療を受ける必要が生じるため、結果的にインビザラインの治療期間も延びてしまいます。
インビザラインの治療期間を延ばさないためのポイント
インビザラインの治療期間を延ばさないためのポイントを紹介します。
日々の口内ケアを適切に行う
治療期間を延ばさないためにも、毎日の口内ケアをしっかりと行う必要があります。正しい方法で歯磨きをしたり、デンタルフロスも併用したりすることで、虫歯のないキレイなお口を保てます。
マウスピースを清潔に保つ・紛失に気をつける
マウスピースを清潔に保ったり、紛失しないように気をつけたりすることもインビザラインの治療期間を延ばさないためにできることです。マウスピースを作り直す場合は、時間とお金が余計にかかります。そのため、マウスピースは普段から丁寧に扱いましょう。
定期的に歯科医院を受診する
インビザラインの治療期間を延ばさない3つめのポイントは、定期的に歯科医院に行くことが挙げられます。インビザラインでは、始めに治療計画を立ててプランに従って矯正を進めます。そのため定期的に検診を受けて、歯の状態をチェックしてもらうことが重要です。
まとめ
この記事では、インビザラインの一般的な治療期間や治療が延びてしまう原因、治療期間を短縮するためのポイントなどを解説しました。インビザラインの治療期間は全体矯正だと2~3年、部分矯正だと1年程度かかります。
マウスピースを装着する時間が短い、虫歯、歯のズレなどで治療が計画どおりに進まないと治療期間が長くなるため、毎日の口腔ケアや定期的な通院が重要です。
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